抄録
NaGdF4ナノ蛍光体は高いアップコンバージョン発光効率を示す母体材料として実用化が進められている.しかしながら,発光特性は母体材料の結晶構造が大きく影響するということが知られており,光学特性を評価する際にはNaGdF4の2つの結晶構造:六方晶 hexagonal,立方晶cubicを作り分けることが必要となる.本研究では,水熱合成法を用いてNaGdF4:Tm3+,Yb3+ナノ結晶を作製し,それぞれの結晶構造を生成する合成条件を調査した.また,近赤外光照射により得られる青色アップコンバージョン発光(UCPL)を測定し,結晶構造の影響について検討した.