日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2012年年会講演予稿集
セッションID: 1P151
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リン酸塩混合アルカリガラスの中温領域における燃料電池特性
*計 賢梅木 元春大幸 裕介嶺重 温矢澤 哲夫
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抄録
300~500℃程度の中温領域で動作する燃料電池は、発電効率が高く、また電極触媒に白金などの貴金属が不要となることから中温領域で高いプロトン(もしくは酸化物イオン)伝導性を示す材料の開発が盛んに進められている。我々は、分相や結晶化を積極的に利用した新しい機能性ガラスの合成について検討を進めている。分相は自己組織化的に進行し、新たなナノ構造制御法として期待される。溶融ガラス中のプロトン伝導性については古くから調べられており、例えばDoremusはシリカガラス中のNa+イオン導電率はH+イオン導電率より10,000倍大きいことを報告している[3]。また後にErnsbergerはガラス中のプロトンは電荷担体にならないのではないかと述べている。これは溶融温度が一般に1000℃を超える高温であり、プロトン(-OH基)濃度が著しく低いうえに、また-O-とH+はイオン対として強く結びつき、プロトン解離に大きなエネルギーを要することが根拠であった。ところが一方でそれより以前の1965年に並河らは窯協誌にアルカリイオンを含まないBaO-P2O5ガラスが比較的高い導電率を示し、これは恐らくプロトンによるものであろうと指摘していた。河村らはイオン注入法によって外部からプロトンを注入すると、プロトン導電率が10桁以上上昇し、またリン酸カルシウムガラスに比べてリン酸マグネシウムガラスでよりプロトン伝導性の増加が顕著になることを明らかにした。我々はガラス組成や処理条件を検討することにより、300℃を超える温度域でプロトン輸率(tH)=1のリン酸塩ガラスの作製に初めて成功し、その燃料電池発電を確認した(開回路電圧:1.1 V @500°C)。本研究ではこのガラスを電解質に用いた燃料電池の中温領域における発電特性について報告する。アノード電極にはニッケルを、またカソードにはBa0.5Sr0.5Co0.8Fe0.2O3-δ(以下BSCF)を使用した。
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©  日本セラミックス協会 2012
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