抄録
化学気相析出法により異なる面方位のMgO単結晶上にLiCoO2膜を合成し、エピタキシャル成長、膜配向および微細組織の関係を調べた。得られた膜はLiCoO2単相であり、(100)、(110)および(111)MgO上にそれぞれ (104)、(018)および(003)に配向した。これらの面内配向はLiCoO2[010] // MgO[01-1]、LiCoO2[100] // MgO[1-10]およびLiCoO2[010] // MgO[01-1]であった。(100)MgO上に合成した(104)配向膜の表面組織は長方形の自形を持った結晶粒が密に詰まった構造をしており、これはMgO上にLiCoO2膜がエピタキシャル成長することに由来する。