抄録
これまでリチウムイオン電池正極材料の電池特性を部分置換あるいは表面修飾により改善するため、当研究室ではソフトプロセスである超音波処理に着目し、スピネル型構造を有するLiMn2O4及びLiNi0.5Mn1.5O2ついてZn、Niを含む溶液中で超音波処理を行うことによって、サイクル特性が向上することを明らかにしてきた。本研究では、新たに層状構造である正極材料LiNi0.6Co0.2Mn0.2O2に注目し、放射光X線回折を用いた結晶構造解析を行うことで超音波処理が結晶構造に与える影響を検討し、またこれまで未解明であった反応メカニズムについても考察した。