消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
A型肝炎の治療を契機に診断した鞭虫症の1例
石井 俊也大橋 茂樹河口 健剛崎 寛徳石井 信光酒井 義浩
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キーワード: 鞭虫症, A型肝炎
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1993 年 42 巻 p. 267-270

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抄録
 46歳男性。平成2年から約2年間ネパールに滞在し,時々生水,生野菜などを摂取していた。帰国後,皮膚の黄染および全身倦怠感を主訴として当科を受診し,急性A型肝炎の診断で入院した。入院中に軟便および腹部不快感が持続したため,大腸内視鏡を施行し,盲腸底に白色の細長い虫体を発見し,内視鏡下に虫体を摘出した。虫体は全長29mmの鞭虫であることが同定されるとともに,症状の改善も認めた。最近,鞭虫症の報告例はまれであるが,A型肝炎を偶然合併し,内視鏡下に虫体を発見し摘出しえた1例を経験したので,文献的考察を加え報告した。
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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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