消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
内視鏡で切除しえた大腸神経原性腫瘍の2例
中島 昌人五頭 三秀片山 麻子佐々木 敬典土屋 和彦杉浦 弘和須藤 一郎田口 夕美子堀口 潤勝亦 重弘宮岡 正明斎藤 利彦広田 映伍
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1993 年 43 巻 p. 247-250

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抄録
 大腸神経原性腫瘍の2例を内視鏡で切除しえたので報告する。症例1 : 41歳男性。排便後の出血を主訴に行った大腸X線検査にてポリープを指摘され,大腸内視鏡検査を施行した。横行結腸左側に8mmの細長い隆起性病変を認め,内視鏡的にポリペクトミーした。組織は明るい胞体を伴った紡錘形細胞が直線または曲線状に柵状配列を示し,S-100蛋白,NSE陽性,vimentin陰性に染色され,神経鞘腫と診断された。症例2 : 56歳女性。特発性血小板減少性紫斑病および高血圧の診断で通院中,血便を認めたため大腸内視鏡検査を施行し,虚血性大腸炎と診断された。第40日病日の再検査では虚血性変化は軽快していたが,S状結腸に6mmの隆起性病変を認め,内視鏡的にポリペクトミーした。組織は神経線維束の増生と神経節細胞を認め,S-100蛋白,NSE陽性,vimentin陰性に染色され,神経節細胞腫と診断された。大腸に原発する神経原性腫瘍の内視鏡的切除例はまれであるので,文献的考察を加えて報告する。
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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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