抄録
歯周処置後, 口腔内に露出した象牙質表層の変化を経時的に知る目的で, 歯根象牙質を2群に分けスケーリング (Sc面) またはルートプレーニング (Rp面) し, ホーレーリテーナー様レジン床装置を用いて4種の環境下で口腔内に0~28日露出させ, SEMと光顕で検索した。その結果, 歯肉縁上で自浄作用のない根面とポケット内を想定し口蓋粘膜に接触させた根面は, 細菌の付着量が多く, 3日以後にスピロヘータも出現した。舌の自浄作用がある根面は, 菌の付着が少なく球菌主体であり, 毎日ブラッシングを行った根面は, 細菌は極めて少なかったが細管開口部に球菌が認められた。Sc面とRp面を比べると, 最初の2日間は清掃の悪いSc面で細菌付着が多かったが, 他の環境下では差がなかった。象牙細管への細菌侵入は自浄作用のある根面でもごく一部に7日目からみられ, 時間とともに深部に及び, 28日で100μmに達するものもあった。細菌侵入の程度と根面の処置法および口腔内露出環境との間に関連性はなかった。