抄録
地域医療はその地域における健康生活の維持・増進の世話をすること, すなわち, 衛生・公衆衛生 (予防医学) と臨床医学が合体したものである. 地域で医療行為を遂行するかぎり, 好むと好まざるとにかかわらず, 所謂<地域医療>の責務から逃れることはできない. これは主に一般開業医が受け持たされているのが現状である. そしてこの地域医療を円滑に遂行するには行政, 特に地方自治体との友好関係が必要であると共に, 地域医療の向上には医学教育のあり方, および大学や国公立病院の医局が, どれだけ地域医療に理解・協力を示すかにある. 以上のことに関連して, 著者が地域医療の現場で経験した事例の紹介と簡単な考察をし, 最後に労働衛生でしばしば示される三管理に模して, 地域保健の管理を示した.