抄録
理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の電子顕微鏡解析室においては,独自の研究を行いつつ,電子顕微鏡並びにその関連装置の管理,維持と,CDB内外の依頼に応じて,透過型電顕,走査型電顕それぞれの技術支援を行っている.支援の内容は電顕解析に関するコンサルティング,サンプルの固定から画像記録まですべてを行うものから,装置の使用説明のみを行うもの,また指導をして技術の習得を行わせるなど,さまざまな段階のものがある.依頼者とはCCDカメラを使って取得した画像をメールに添付することで迅速に報告,意見交換を行っている.観察対象は発生学によく使われる,線虫からマウス,培養細胞に至るまで幅広い.今後もノックアウトマウスの各臓器,ES細胞やiPS細胞から分化させた機能性細胞の解析に電子顕微鏡支援業務がますます重要な貢献をしていくと考えられるが,それに対応する人材育成に関しては,十分な展望が開けていないのが現状である.