PLANT MORPHOLOGY
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学会賞受賞者ミニレビュー
植物細胞の核のカタチを制御する分子機構
坂本 勇貴
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2022 年 34 巻 1 号 p. 47-52

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抄録

動物細胞の多くが球形や楕円体形の細胞核を持つのに対して,陸上植物の細胞の核は球形や楕円体形だけではなく紡錘形や棒形など様々な形態を示す.動物細胞の核の形態は核ラミナを形成するラミンタンパク質により制御されているが,植物にはラミンのオルソログが保存されておらず,植物の核形態を制御する核ラミナ因子は不明であった. 著者はシロイヌナズナから生化学的に調製した粗核ラミナ画分のプロテオーム解析を行い,CROWDED NUCLEI (CRWN) タンパク質を発見した.遺伝子破壊株の表現型解析と詳細な細胞内局在解析から,CRWNs が植物核形態の制御に重要な役割を果たす植物核ラミナ構成タンパク質であることを明らかにした.また,CRWNs が多くの環境応答遺伝子の発現制御に関わることを見出し,特に銅ストレス応答に関与するCA 遺伝子クラスターの核内配置を制御することでCA 遺伝子の発現を調節し,植物の銅耐性獲得に寄与することを明らかにした.

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© 2022 日本植物形態学会
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