抄録
現代政治においては、革新主義や急進主義といったイデオロギーを背景として、改革政策を推進する内閣・首長が度々出現している。そして、その中で推進される「改革」による影響については肯定的意見のみならず、様々な「批判」もなされている。本研究では、こうした賛否が分かれる「改革」に関する政策判断に資するための基礎的な実証知見の抽出を目指し、本研究は特に急進性が際立つ大阪府政・市政改革に着目し、中でも財政改革政策がもたらした帰結について実証的な検証を行うことを目的とした。その結果、大阪府における一連の財政改革が、大阪経済に対して負の影響を及ぼしている可能性が示唆された。