抄録
「新型コロナウイルス」は放置すれば、感染の拡大による感染死を中心とした国民健康的被害が広がると同時に、感染を恐れた人々ならびに政府が社会経済活動を一部停止するが故に社会経済被害も拡大する。本稿では、こうした「国民健康」被害と「社会経済」被害とで構成される災いを「コロナ禍」と呼称し、このコロナ禍を可能な限り縮小させる公共政策方針の概略を論ずる。なお、本稿の提案は、ウイルス学、環境衛生学、都市計画学、防災学、社会心理学、ロジスティクス等の専門家から構成される京都大学レジリエンス実践ユニットで議論を踏まえ、取り纏めたものである。本提案は、医療崩壊を避けることを絶対条件としつつ、当該ウイルスについてここまでに明らかになってきた各種特徴を踏まえながら、そのトータルの被害の最小化を目指すものである。