抄録
大分県由布市にある湯布院町は、観光とまちづくりの成功事例として全国の商業団体や地方自治体から長く注目を浴びてきた。しかしまちの開発史を遡ると、外部資本による大規模開発に対する激しい反対運動などもあり、現在は自然のなかに佇む閑静な保養温泉地と、外部資本が参入しメインストリートを中心に乱立する飲食・小売店の密集地に大別され、まちは二面性を有するようになっている。このようななか2019年末に発生した新型コロナウイルスは世界中に蔓延し、日本の観光業に深刻な打撃を与えることになり、政府は国内産業の維持と雇用継続のために大規模な経済支援策を講じることになった。これらの対策を、湯布院町で事業を営む人々はどのように評価したのか、また二面性に依拠した共通点や差異、そして課題とは何であったのかということを明らかにした。