小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
「小児非感染性ぶどう膜炎 初期診療の手引き」を読み解く
─日本リウマチ学会/日本小児リウマチ学会/日本眼炎症学会からの提案─
岡本 奈美
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2022 年 12 巻 1 号 p. 50-57

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抄録

国内で初となる「小児非感染性ぶどう膜炎初期診療の手引き2020年版」が発刊された.その背 景には,希少疾患に対する認知度の低さ,難治性病態にも関わらず治療ストラテジーが未確立と いう状況があった.そのため,最適治療・管理の標準化と,小児科医・眼科医の強固な連携を目 指し,小児リウマチ医・眼科医が協同して策定された.  小児非感染性ぶどう膜炎は自覚症状が乏しく,診断時すでにある程度進行し合併症を有する例 も少なくない.また,全身疾患の一症状として現れることや,全身治療を要する場合もあり,両 者の連携が重要となる.本稿では,海外・国内における疫学調査など文献報告を基に小児非感染 性ぶどう膜炎の実態について紹介し,「なぜ手引きが必要なのか」について概説する.そのうえで, 手引きに記載の事項と,活用方法のエッセンス・注意点を説明する.  この手引きが活用されることで,小児にも非感染性ぶどう膜炎患者がいることが広く認知され, 新たな診断ツールや,治療薬の適用拡大が進み,早期診断・予後改善につながることを期待する.

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© 2022 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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