霊長類研究 Supplement
第20回日本霊長類学会大会
セッションID: P-30
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ポスター発表
チンパンジーにおける重力バイアス?-チューブ課題による予備的検討-
*友永 雅己田中 正之水野 友有
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抄録
不透明のチューブを交差した形で設置した板を垂直に立て、上部から食物片などの物体を落とした場合、ヒト2歳児では物体が出現するであろう場所ではなく、物体を落とした位置の直下の場所を探索することが知られている。このような現象はヒト幼児が「重力バイアス」を有しているため生じると考えられており、同様の現象はタマリンやイヌでも報告されている。本研究では、先行研究の手続きを若干修正した上で、同様の「重力バイアス」が成体および子どものチンパンジーにおいても認められるかについて検討を行なった。被験体は2組のチンパンジー母子。実験は、母子とヒト実験者が実験ブース内に同居する形で行なった。先行研究では上下に小さな箱が取りつけられた装置を用いたが、本研究では、塩ビ板に不透明のチューブを取りつけた装置を使用した。先行研究では食物片などを上から落とした後で下の箱を探索させるという手続きを用いているが、本研究では、食物片を左右のチューブのいずれかの上で呈示した後、被験体が下の出口に手を差し出し、それを確認した上で食物片を落とすという形で実験を行なった。実験条件は複数用意したが、本発表ではそのうちの2条件(平行条件、交差条件)の結果を示す。子どものチンパンジーについては2歳、2歳半、3歳半の時点でテストを行なった。実験の結果、平行条件では、成体・子どもともに正答率は非常に高かったものの(成体96%、子ども91%)、交差条件では成体で10%、子どもで30%と、先行研究と同様の結果が得られた。また、成体・子どもともにテスト中の学習効果は認められなかった。今後さらにこの現象の規定要因について検討を行う予定である。(文科省科研費12002009および21COE (A14) の補助を受けた)
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© 2004 日本霊長類学会
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