霊長類研究 Supplement
第20回日本霊長類学会大会
セッションID: P-37
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ポスター発表
ウーリーモンキー(Lagothrix lagotricha)のグルーミング-コロンビア国マカレナにおける長期調査から-
西邨 顕達
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抄録
一般にグルーミングは霊長類の代表的な親和的交渉の一つであるが、新世界ザルの中にはグルーミングをほとんど、またはまったく行わないものがある(例えばムリキ、ホエザル、リスザル)。それに対し、ウーリーモンキーはこの交渉をかなりよくする。私は1986年から2002年までコロンビア国立マカレナ・ティニグア自然公園でウーリーモンキーの1つの群を継続調査してきた。この長期調査の最初の3年間に得られた資料に基づき、ウーリーモンキーの社会交渉について最初の報告をした(Nishimura, 1994)。その中でグルーミング交渉について次のように要約している:1)グルーミング交渉の1/2がオトナどうし、そして1/3がメスとその幼い子の間で生じた、2)オトナどうしのグルーミングの96%は異性間で見られた、3)異性間グルーミングでオスのパートナーになったメスは発情中のもの、幼い子に授乳中のもの、およびそのオスの母親であった。1m以内の個体間近接の頻度分布に関してもグルーミングと同様の結果であった。これらのことから、ウーリーモンキーは父系の群で暮らすが、親和関係はメス間だけでなくオス間でもあまり強くないことがうかがわれる。この発表ではその後に得られた資料も用いて成長に伴うグルーミング関係の変化についても述べる。
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© 2004 日本霊長類学会
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