霊長類研究 Supplement
第21回日本霊長類学会大会
セッションID: B-17
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口頭発表
チンパンジーの回転遊び-ピルエットについて
*西田 利貞
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抄録
タンザニアのマハレ山塊国立公園で、チンパンジーの遊び行動を観察した。哺乳類の遊びは、通常「移動・回転遊び」、「物体遊び」、「社会的遊び」に分けられる。「回転遊び」の範疇に入るチンパンジーの遊びには、地上では「前方でんぐり返し」、「後方でんぐり返し」、「側方でんぐり返し」、「「サークル」、「ハングサークル」、「ピルエット」の6型、樹上では「逆上がり」、「片手ハングサークル」、「スロースポジション」、「ブランコ」、「ジャンプ」の5型がある。ピルエットは、胴体を回転させつつ直線状に移動していく運動である。2歳頃から見られはじめるが、初めのうちは半周で転倒し、3歳になってやっと転倒せずに1回転できるようになる。熟達するのは5歳頃で、10回以上連続して、しかもまっすぐ進むことができる。ピルエットはオトナのチンパンジーには見られず、最年長記録は7.5歳だった。ピルエットは、将来の種内闘争と捕食者からの逃避に役立つと考えられる。オスの方がメスよりよくおこなうことは、この仮説を支持している。本研究は、科学研究費補助金基盤研究A(#16255007代表者西田利貞)によりおこなった。
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© 2005 日本霊長類学会
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