抄録
ニホンザルは、毛づくろい中にシラミ卵を毛からつまみ上げ食べる。 この行動の形成過程を調べるために、長野県志賀高原地獄谷野猿公苑に餌付けされている志賀A-1群で横断的調査を行った。つまみ上げた後、つまみ上げたものを食べる割合は、年齢が上昇するにつれて食べる割合が上昇した。この食べる割合は、つまみ上げたときに相手の行動に変化が生じる(毛づくろい部位の体を動かす・呼吸のリズムが乱れるなど)かの割合に年齢以上に相関した。以上から、相手から反応を受けることで、相手に不快なつまみ方が排除されていくと考えられる。その結果、つまみ上げ行動が絞り込まれ、シラミ卵を食べることまで完了できるようになると考えられる。