霊長類研究 Supplement
第23回日本霊長類学会大会
セッションID: P-54
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ポスター発表
ニホンザル高崎山群の奇形個体を枚挙する(1)1977年8月まで
*好廣 眞一松井 猛河野 光治杉田 仁志
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抄録
 これは、ニホンザル高崎山群で暮した奇形個体を枚挙するための一段階であるとともに、全日本で生まれたニホンザル奇形個体を記録し尽くす試みの第一歩でもある。奇形発生率の高さで高崎山群をしのぐ群れはいくつもあるものの、高崎山群の通算奇形個体数は全国の20%を越える。餌付けの歴史が古く、以来今日まで常に全国最高の個体数を維持してきたからだ。餌付け3年後の1955年に生まれた2頭が、ニホンザルで記録された最初の奇形個体である(伊谷・水原、1957)。
(1)1977年8月、演者らを含めたニホンザル奇形問題研究会会員7人と、高崎山自然動物園の職員とが合同調査を行い、奇形個体66頭を記載した。これ以来、職員の手で、毎年の奇形個体の出生・死亡・消失が記録されてきた。
(2)1977年以前の記録としては、1962年、1965年、1971年の個体数調査時に作成された個体カードに、個体の特徴の1つとして「奇形」の項目があり、奇形箇所の形態が記載されている。各調査を企画・遂行された方々の御好意により、個体カードに残された奇形の記述を利用させていただいた。
(3)京都大学理学部動物学教室自然人類学研究室と、九州大学医学部解剖学教室に保存されていた、高崎山群のニホンザル死亡個体を、研究室・教室の御好意により、レントゲン撮影させていただいた。
 これら3種類の資料を、すでに報告されている高崎山ニホンザルの奇形の記載(TANAKA・NIGI,1967;IWAMOTO,1967;その他)とつき合わせ、各奇形個体の性・年齢または生年・奇形箇所とその形態を検討して、重複を除いたところ、総計114頭の奇形個体が記録された。今後は、1978年以降の奇形個体の奇形箇所を記載するとともに、他の群れの記録も整理して、ニホンザルの奇形の全容を記載して、日本に起きたニホンザルの奇形という現象の意味を考えていきたい。
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© 2007 日本霊長類学会
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