霊長類研究 Supplement
第23回日本霊長類学会大会
セッションID: P-03
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ポスター発表
リベリア共和国ニンバ州における野生チンパンジーの分布調査
*大橋 岳
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抄録
リベリアにおける野生チンパンジーの研究は、コートジボワールとの国境に近いサポ国立公園やギニアとの国境に近いカントン山において過去おこなわれたが、内戦の影響もあり近年はおこなわれていなかった。西アフリカではナッツ割りという道具使用行動が複数の地域(ギニアのボッソウ、コートジボワールのタイなど)で確認されている。また、ナッツ割り行動については対象となる植物種や道具の種類に地域差があることがわかっている。最近では「文化的行動」として捉え、その地域差に着目されている。リベリアでは、どのようなナッツ割りがみられるのか。また、内戦のあとチンパンジーはどのように分布しているのか。これらを明らかにするため、2006年2月より、リベリアにおける野生チンパンジーの調査を開始した。本発表では現地住民へのインタビューをもとに、チンパンジーが生息すると考えられたニンバ州3地域(ニンバ山南域、ボンラ、ペイレプラ)での調査について報告する。ニンバ山南域では古いベッドや食痕は確認できたが、新しい痕跡は確認できなかった。クウラの木はあったが、近くにチンパンジーの痕跡を発見することはできなかった。ボンラではクウラのナッツ割りの痕跡を確認できた。アブラヤシなどナッツ割りの対象になりうる他の樹種は森林内で確認できなかった。ペイレプラではクウラとアブラヤシのナッツ割りの痕跡を確認できた。上記3地域では、いずれもチンパンジーのコアエリアがどこか把握するに至っていない。また、どれほど群れが存在するのか明らかでない。さらなる調査で明らかにしたい。
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© 2007 日本霊長類学会
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