霊長類研究 Supplement
第24回日本霊長類学会大会
セッションID: P-44
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ポスター発表
チンパンジーのベッドの崩壊速度とベッド樹の特性
*座馬 耕一郎
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抄録
チンパンジーのベッドはチンパンジーの分布を知るための手がかりとなり、ベッドの崩壊速度はその生息密度を推定する上での重要な情報である。ベッドの崩壊速度は地域や季節によって異なるという報告がある。このため、生息密度推定の際にはその調査地におけるベッドの崩壊速度を測定する必要があるが、測定のためには100~数百日という長い調査期間が必要である。本研究では、ベッドの崩壊速度はベッドが作られた樹種の枝葉の特性に依存すると仮定し、この特性から崩壊速度が推定可能か考察した。調査はタンザニア、マハレ山塊国立公園において2006年10月から2007年5月まで、野生チンパンジーM集団を対象におこなった。ベッドの崩壊速度調査は、ベッド作成日から約1週間おきに観察した。また、ベッドを作成した樹種の枝を採取し、1mの枝についている葉の数、大きさ、小枝の数、葉が枝からはずれるときの引っ張り強度を調べた。ベッドは平均11.5週(N=52)で崩壊し、未成熟個体が作成したと判明したベッドでは平均5.6週(N=5)、成熟個体が作成したと判明したベッドでは平均10.0週(N=3)だった。調査の中でチンパンジーがベッドに用いた樹種は10種あった。1種につき4つ以上のベッドを測定できた樹種5種についてベッドの崩壊速度を調べたところ、最小値と最大値に12~31週の差があった。これら5種の枝葉の特性を調べたところ、葉の数(22~327枚)、小枝の数(6~38 本)、葉の大きさ(13.3~96.1 cm2)、葉の強度(0.2~3.3kg)は種間でさまざまだった。ベッドの崩壊速度はベッド作成個体の年齢などの要因による種内変異が大きいと考えられたが、枝葉の性質が種間変異にどのように関わっているか考察する。
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© 2008 日本霊長類学会
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