霊長類研究 Supplement
第24回日本霊長類学会大会
セッションID: A-06
会議情報
口頭発表
三次元幾何学的形態測定による神奈川県産化石コロブス類の系統解析と食性推定
*小薮 大輔高井 正成樽 創遠藤 秀紀
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
1991年、神奈川県丹沢山地東麓の鮮新世後半(約350-250万年前)の地層からコロブス類のものと思われる化石が発見された(「中津標本」)。コロブス亜科はアジアとアフリカに生息する霊長類であり、アジアに分布する種はPresbytina、アフリカに分布する種はColobinaの二つのグループに分けられるが、この中津標本はアジアのPresbytina グループに属するDolicopithecus leptopostorbitalisとして記載された。しかし、頭蓋骨の上顎洞形態からアフリカのColobinaグループに属する可能性が近年指摘され、その系統的位置は未だ混乱している。我々は中津標本と現生コロブス類43種の頭蓋骨の三次元座標を幾何学的形態測定学的に解析し、コロブス類における頭蓋骨形態の系統的変異パターンの抽出を試みた。幾何学的形態測定学は生物体のもつ複雑な「かたち」を定量的に記述・解析する手法として近年確立されてきた数理統計学的手法であり、特に分子データによる系統解析の困難な化石種の系統推定や種間の形態変異分析において有用なツールとなりつつある。本発表では、コロブス類における頭蓋骨形態の変異パターンを議論するとともに、中津標本の系統的位置、そして推定される食性について考察する。
著者関連情報
© 2008 日本霊長類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top