霊長類研究 Supplement
第25回日本霊長類学会大会
セッションID: P-32
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ポスター発表
マハレの中大型哺乳類の生息密度の経年変化2
*五百部 裕座馬 耕一郎
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抄録
第一発表者は,2002年度にタンザニア共和国マハレ山塊国立公園で行った現地調査で収集した資料を,それまで公表されていた資料(Uehara and Ihobe, 1998; Uehara 2003など)と比較して,チンパンジーの狩猟対象である中大型哺乳類の生息密度の経年変化について,「マハレの中大型哺乳類の生息密度の経年変化」と題して2004年度の本学会大会において発表した。
この研究では,1)チンパンジーによってもっとも高頻度に狩猟されているアカコロブスの生息密度には,全体としては大きな変化は認められなかったが,最近チンパンジーによる狩猟があまり行われない遊動域の北の部分では,アカコロブスの生息密度が増加している傾向が認められた,2)アカコロブスと同程度の密度で生息していながら,チンパンジー狩猟の頻度が低いアカオザルの生息密度は,若干増加していた,3)最近チンパンジーによる狩猟頻度が以前に比べ低下しているブルーダイカーの生息密度は増加していた,4)キイロヒヒの群れ密度には大きな変化は認められなかったが,群れサイズが増加しており,個体密度は増加していると推測された,5)ブルーモンキー,イボイノシシ,モリリスについては,生息密度に大きな変化は認められなかった,6)ブッシュバックの生息密度は減少していた,といった点を明らかにした。
本研究は,その後の変化を探る目的で企画された。分析に用いた資料は,第二著者がこれまでマハレで行われた中大型哺乳類の生息密度推定で行われた方法と同様の方法で,2008年度に現地調査を行い収集した。この資料の分析によって,マハレにおける1995年からの調査対象哺乳類の生息密度の経年変化を明らかにし,チンパンジー狩猟が哺乳類の生息密度に与える影響を考察する。
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© 2009 日本霊長類学会
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