霊長類研究 Supplement
第27回日本霊長類学会大会
セッションID: P-6
会議情報
ポスター発表
広鼻猿類腰神経叢の観察
*時田 幸之輔
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
 2007~2009年にカニクイザル、ニホンザル、チンパンジー腰神経叢の観察を行った。今回、広鼻猿類腰神経叢の観察として、リスザルとアカテタマリンの観察を行った。いかに観察結果の概要を記す。Th13:腹壁に進入し外側皮枝(RcL)を分枝し、側腹壁の内腹斜筋(Oi)と腹横筋(Ta)の間(第2-3層間)を走行し、腹直筋鞘に入る。腹直筋(R)の後面から筋枝を与え、筋を貫いて前皮枝(Rca)を分枝する。これは胴体に特徴的な標準的な肋間神経の経路といえる。L1: 腹壁に進入しRcLを分枝、側腹壁の第2-3層間を走行し、腹直筋鞘に入り、Rを貫いてRcaを分枝する。この経路も標準的な肋間神経の経路といえる。L2:L3への交通枝を分枝した後、腹壁に進入しRcLを分枝。その後、側腹壁の第2-3層間を走行し、腹直筋鞘に入り、Rcaを分枝するという標準的な肋間神経の経路をとる。L3: 2枝に分枝する。1枝はL2からの交通枝と吻合した後RcLを分枝し、側腹壁の第2-3層間を走行し、腹直筋鞘に入りRcaを分枝する。もう1枝は外側大腿皮神経(CFL)への交通枝を分枝した後、陰部大腿神経となる。L4: CFLへの枝、大腿神経(F)への枝、閉鎖神経(O)への枝の3枝に分岐する。L5: Fへの枝、Oへの枝、坐骨神経への枝3枝に分岐する(分岐神経)。以上より、リスザル腰神経叢では、L2+L3まで標準的な肋間神経と同様な経路を走ることがわかった。このことは、リスザルの体幹の領域はヒトよりも下位分節まで広がっていると言える。腰椎の数の違いとの関連があるのではないかと考えている。本研究は、京都大学霊長類研究所の共同利用研究として実施された。
著者関連情報
© 2011 日本霊長類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top