霊長類研究 Supplement
第28回日本霊長類学会大会
セッションID: B-10
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口頭発表
ニホンザル身体形態に見られる加齢変化
*濱田 穣早川 清治鈴木 樹里
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抄録
[目的]:ニホンザル(Macaca fuscata)の身体加齢過程はあまり知られていない。生体計測データから身体加齢を横断的明らかにする。[材料]:生年月日の記録されている京都大学霊長類研究所飼育ニホンザル(以下PRI)より、メス933(最大年齢36.1歳)、オス267(28.3歳)の合計1,200頭。幸島ニホンザル(KOS)はメス156(23.7歳)、オス130(27.7歳)の合計286頭。用いた生体計測項目は、体重、前胴長、大腿長、胸囲、大腿囲、頭長、頭最大幅、上顔高、皮厚(腹部、肩胛骨下部、腸骨稜上部の合計)、乳首容量、精巣容量である。年齢変化曲線と速度曲線から、加齢変化を記述した。[結果と考察]:年齢変化曲線の示す平均的な値で、体重はPRIでオスは12.7歳でMax 13.7Kg、25歳で11.4kgに、メスでは18.5歳でMax 10.1kg、30才で8.4kgと減少した。KOSでは、オス16.7才Max 9.3kgが25才で8.7kg;メス13.6才Max 6.45kgが20才で6.2kgと減少は少ない。長径と周囲径で10才以降に有意な減少を示したのは、PRIの前胴長だけで、メスでは13.4才でMax 388mmが30才で361mm(7.0%減)に、オスは13.7才でMax 427mmが30才で380mm(12.4%減)と減少した。KOSでメスは15.8才で発達期からの増加が止まり355mm、23才で358mm、オスは17.7才で386mm、25才で383mmと、いずれも実質的な変化はない。野生群では胴長の減少を導く前に、死亡している、あるいは元気な個体のみが生き延びている可能性がある。皮厚ではKOSは変動がなく、7-23才で7-8mm。PRIでは年齢クラス別メディアンでメスでは13-17mmの間で変異するが、系統的な年齢変化はない。オスでは15-21mmで変異し、15才以降、減少するようである。乳首サイズでは季節変動と年齢変化で、7-10才では交尾期に増大し、非交尾期に減少し、1.7程度であるが、10-15才では育児期の6-9月に他時期より大きくなり、Max3.6、15-20, 20-25才では年間を通じて大きく、とくに8-9月にMaxで4.5、25才以降では同様の季節変化を残しながら2.3に減少する。精巣サイズでは年齢変化はほとんどなく、7才の34cm3から15才以降は39cm3である。生殖器官の加齢変化でメスでは、25才以降に機能低下があるが、オスでは明確な変化は見られない。
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© 2012 日本霊長類学会
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