霊長類研究 Supplement
第30回日本霊長類学会大会
セッションID: B9
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口頭発表
オランウータン(Pongo pygmaeus)の犬歯形態
*山田 博之*國松 豊*濱田 穣
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抄録
オランウータンの犬歯形態を明らかにし、その性的二型をさぐることを目的にこの研究を行った。資料はボゴール動物学博物館(Museum Zoologicum Bogoriense),京都大学理学部動物学教室,京都大学霊長類研究所,国立科学博物館,日本モンキーセンターに所蔵されているオランウータンの頭蓋骨と下顎骨に植立している犬歯の超硬石膏模型である。
オランウータンの上・下顎犬歯は大きさだけでなく歯冠形態にも性差が強く現れることが分かった。歯冠全体で見ると,オスは隆線や溝がよく発達し浮彫像も明白であるが,メスは隆線や溝の発達が弱く,全体に丸みを帯びている。頬側面からみた上顎犬歯の歯冠概形はオスで太くて底辺が広い二等辺三角形,メスで正三角形をしている。舌側面の歯表面は皺(小溝や隆線)がオスで舌側面全体に多いが,メスではあまり発達していない。近心切縁溝はオスで深く,くい込みが強いが,メスでは痕跡程度である。近心shoulderはオスで歯頚1/4の高さに,メスはオスよりも尖頭よりにある。歯頚隆線はよく発達し,幅広で膨隆が強い。その程度はオスよりもメスの方が発達がよい。歯頚線はオスで中心溝が歯頚隆線を乗り越えることがあるが,メスではその程度は弱い。
下顎犬歯の頬側面からみた概形はオスで歯冠高が高い不正四辺形を,メスではオスより歯冠高が低い不正四辺形をしていた。歯表面にあらわれる皺は上顎と同様にオスで多いが,メスでは少ない。近心shoulderの位置はオスが歯冠1/2の高さ,メスはオスよりも尖頭寄りに位置している。歯頚隆線はよく発達し,幅広で肥厚し膨隆が強い。メスの方がその程度はオスよりも優る。歯頚線は両性とも歯頚部全体を取り巻く。
オランウータンの犬歯形態と他の類人猿、人類(化石を含む)の形態を比較した。
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© 2014 日本霊長類学会
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