主催: 日本霊長類学会
会議名: 日本霊長類学会大会
回次: 35
開催地: 熊本
開催日: 2019/07/12 - 2019/07/14
コモンマーモセットは、近年さまざまな生命科学研究に用いられていて、ここ15年の間に日本でもその利用が急速に増えてきている。個体の大きさを比べると、日本のコモンマーモセットは欧米に比べて小型で、アダルトでも体重が300g前後のものがほとんどである。一方、例えばドイツでは平均して400gを超えたくらいの個体を実験に利用している。こうした体格の差は、用いる実験手技の制限にもつながる大きな問題である。しかし、400gを超える体重を持つ野生のコモンマーモセットはあまり報告されておらず、野生のデータを考えると300g程度が適正体重であると考えることもできる。飼育下の実験用コモンマーモセットの適正体重を知るための一つの手がかりとして、体重と脳の大きさの関係を調べた。小型動物用MRI装置(ブルカー社製 PharmaScan 4.7T)を用い専用のステレオ装置に頭部を固定した状態でT1、T2強調画像を撮像し、大脳の前後長と左右の幅を計測し、体重との相関を調べた。1.5歳以上で体重が300gから350gまでの個体14頭で計測した。少なくとも調べた14頭では、体重が大きいほど脳の前後長も幅も大きい傾向が見られた。この結果から、少なくとも300gはコモンマーモセットが十分に発育した状態であるとは考えにくい。