主催: 日本霊長類学会
会議名: 日本霊長類学会大会
回次: 36
開催地: オンライン開催
開催日: 2020/12/04 - 2020/12/06
わんぱーくこうちアニマルランド(高知市)で、マントヒヒの赤ちゃんが生まれました。名前はシーマ。乳児のとき、体は真っ白でした。母親のパトラ、父親のシーザーは、どちらも標準的なマントヒヒの毛色です。 そのシーマ、2歳頃から、部分的に色が着き始めました。 大人になった現在、しっぽと手足の先が褐色。顔にも着色が少し。そしてこのような端部以外は、白のままです。このパターンは、シャム猫に似ています。シャム猫では、温度が低いほどチロシナーゼ(メラニン合成に必須の酵素)の活性が上がることが原因と、わかっています。そこで、シーマのチロシナーゼの遺伝子に変異があると予測し、主要部の塩基配列を調べました。 全530個のアミノ酸のうちの365番目が、アラニンであるところ、シーマはトレオニンになっていました。 365番目付近は、チロシナーゼが保因子の銅と接する部分で、酵素の機能に重要です。ここに微妙な構造変化をもたらしています。この365番目のアミノ酸の変化が、シーマの独特な体色の原因と、推測されます。