霊長類研究 Supplement
第37回日本霊長類学会大会
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口頭発表
野生ニホンザル(Macaca fuscata)の糞に集まる糞食性コガネムシ:種子散布への影響
辻 大和松原 幹白石 俊明澤田 研太
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p. 31-32

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抄録

野生ニホンザル (Macaca fuscata) の糞に飛来する食糞性コガネムシ(以下糞虫)を,宮城県金華山島と鹿児島県屋久島で調査した。金華山で採集された糞虫類は11種(tunneller 9種、dweller 2種)で,特にオオセンチコガネ (Phelotrups auratus) ,フトカドエンマコガネ (Onthophagus fodiens),クロマルエンマコガネ (O. ater) が多かった。いっぽう屋久島で採集された糞虫類は8種(tunneller 7種、dweller 1種)で,カドマルエンマコガネ (O. lenzii),ヒメコエンマコガネ (Caccobius brevis),コツヤマグソコガネ (Aphodius maderi) が多かった。金華山で糞虫類の季節的な消長を調べたところ,10種は春から秋にかけて出現したが1種(トゲツヤクロマグソコガネ, A. superatratus)は春のみ出現が確認された。ニホンザルによる飲み込み型の種子散布は,夏と秋に頻繁に行われる。したがって,この時期に活発に活動する糞虫類によるサル糞の二次処理(移動・埋土)は,植物の発芽やその後の生育に影響する可能性がある。

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