霊長類研究 Supplement
第37回日本霊長類学会大会
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中高生発表
ヒトの子どものナッツ割り行動
木村 陽向井上 寧々岩田 悠市神谷 杏奈小森 弘貴永坂 知也古田 萌恵山内 虎太郎
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p. 55-56

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抄録

昨年、我々は、ギニア共和国ボッソウにおけるチンパンジーのナッツ割り行動と、現代日本のヒトの子どもを対象とした実験結果との比較を行った。研究を通じ、ヒトとチンパンジーの姿勢の違いや親の関与の違いなどに関し興味深いデータを得たが、「靴を脱がせたら姿勢が変わるかもしれない」「姿勢の違いには文化的差異を考慮する必要がある」「比較実験を行うならば条件を同じにする必要がある」など、発表後に有益な指摘を複数受けた。動画視聴によるチンパンジーの行動分析には限界があり、さらにコロナ禍における制限も重なって、その後十分な研究活動を行うことはできなかったが、ヒトの子どもを対象とした実験を再度行うことによって、様々な知見を得ることができた。昨年の人の子ども対象の実験では、割りやすいように火であぶったクルミを使用したが、今回、割りにくい生のクルミをあえて使用してみたところ、我々の予想に反し、黙々と粘り強くクルミを割る子どもの姿が見られた。ナッツ割りを通じ、子どもの行動について考える貴重な機会を得たと思う。 甚だ不十分ではあるが、研究活動の中間報告を発表したい。

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© 2021 日本霊長類学会
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