霊長類研究 Supplement
第76回日本人類学会大会・第38回日本霊長類学会大会連合大会
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口頭発表
コンゴ民主共和国ワンバにおける野生ボノボの狩猟・肉食行動:他地域との比較
五百部 裕坂巻 哲也
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p. 37-

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抄録

コンゴ民主共和国(旧ザイール共和国)ワンバでは、1973年以来、1990年代後半から2000年代初頭の内戦期を除き、継続して野生ボノボの調査が行われてきた。この継続調査の中で、近縁なチンパンジー同様、ボノボも狩猟・肉食行動を行うことが明らかになった。本発表では、ボノボの狩猟・肉食行動について、その頻度や狩猟対象に焦点を当て、ワンバと他のボノボ調査地を比較し、その特徴を抽出することを目的とした。今回の分析では、坂巻が、ワンバにおいてE1とPEの2グループを対象として2010年~2014年に行った調査期間中に収集した資料を中心に解析し、加えて、必要に応じてすでに論文等で公表された資料も利用した。その結果、ワンバにおけるボノボの狩猟・肉食行動について、以下のような点が明らかになった。1.糞分析によると、肉食された動物の骨や皮が含まれていた割合は、0~0.5%程度であった。2.坂巻の観察期間中に、E1グループでは4回、PEグループでは2回、肉食の事例が直接観察され、観察日数をもとに計算すると平均頻度は0.17回/月/グループということになった。3.著者らが直接観察した肉食対象は、ウロコオリス(Anomalurus sp.)のみであったが、日本人研究者の不在中に現地アシスタントがウォルフモンキー(Cercopithecus wolfi)の肉食を1例観察した。これらの結果を、ボノボの狩猟・肉食行動が観察されているロマコやルイコタル、イヨンジといった他の調査地で得られた結果と比較し、ボノボの狩猟・肉食行動の特徴を抽出した。また併せて、より頻繁に肉食が観察されているチンパンジーの特徴とも比較し、Pan属における狩猟・肉食行動の進化についても考察した。

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