霊長類研究 Supplement
第76回日本人類学会大会・第38回日本霊長類学会大会連合大会
会議情報

自由集会
廃屋墓出土人骨からみえる縄文社会
会議録・要旨集 フリー

p. 5-

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抄録

日時 2022年9月16日(金) 10:00〜12:00

会場 京都産業会館ホール中室(ポスター会場)

 複数個体が埋葬された廃屋墓例は、かつては縄文時代の「家族」を議論する土台となった。その後、埋葬状況や埋葬過程、個体間の関係性など様々な視点から、考古学コンテキストに基づいた議論が重ねられてきた。近年は、私たちが想起する現代の「家族」とは様相がことなるものの、何らかの近しい人々が意図的に埋葬されたものと想定されている。

 一方で、出土人骨そのものに直接アプローチする検討はほとんど行われてこなかった。我々は廃屋墓から出土した人骨を骨考古学、年代測定、食性分析、ancient DNA分析、タフォノミー分析など、さまざまな人類学的手法を用いて検討し、新たな情報を得ようとしている。これまでの知見と総合することで、より客観的データに基づいて廃屋墓での埋葬プロセスや個体間の血縁関係を解明できると考えている。本集会でその成果について発表し、一つの場所に埋葬された人々がどのような関係にあり、それは何を意味するのか、について議論したい。

プログラム

埋葬環境の判別を基にした“廃屋墓”の分類

青野 友哉(東北芸工大)

廃屋墓事例の再考:神奈川県三ツ澤貝塚A地点

水嶋 崇一郎(聖マリアンナ医大・解剖)、佐宗 亜衣子(新潟医福大・人類研)

廃屋墓事例における出土人骨の年齢構成

佐々木 智彦(京大・博)、中村 凱(東京大・院理)

姥山B9住居址ならびに加曽利北II-29住居址から出土した人骨のDNA分析

水野 文月(東邦大・医)、植田 信太郎(東京大・院理)

タフォノミー観察と年代測定からみる廃屋墓人骨の埋葬状況

佐宗 亜衣子(新潟医福大・人類研)、青野 友哉(東北芸工大)、米田 穣(東京大・総研博)

責任者 佐宗 亜衣子(新潟医療福祉大学)

© 2022 日本霊長類学会
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