抄録
現在、認知症人口の増加が大きな問題となっており、認知症患者がなじみやすく、継続して取り組める認知症予防・回復の支援手段の確立が急務である。 そこで、 非薬物療法の一つである音楽療法に着目し、より臨場感のある音を再現できる立体音響を用い、ヒーリング効果の検証を行った。 実際に、6種類の自然音を通常のステレオ収録とバイノーラル収録を行い、どちらの収録がよりヒーリング効果をより得られるか聴取実験を行った。その結果、ばらつきのある結果となり、すべての音に対しては立体音響がヒーリング効果を示す結果とはならなかったが、音の種類によってはヒーリング効果を見出すことができた。