産業応用工学会全国大会講演論文集
Online ISSN : 2424-211X
2024
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隠れマルコフモデルを用いた行動解析に基づく乳牛の消化器疾患の検出
*井出 達樹*閏間 英之*荒川 俊也
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 71-72

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抄録
酪農において、乳牛の健康状態は生乳の生産性に大きな影響を与える。特に、消化器疾患は乳牛の健康に深刻な影響を及ぼし、乳生産量を減少させる主な要因である。消化器疾患の早期発見および対処は、乳牛の健康を維持し、安定した生産性を確保するために不可欠である。従来の手法では、獣医師や飼育者が目視で個々の乳牛の様子を確認し、健康状態を見極める必要があったが、これは労力がかかる作業であり、異常の早期発見を保証するものではない。ICT技術の発展により、乳牛の継続的な監視が可能になった。ウェアラブルセンサから得られるデータは、乳牛の健康異常の早期検出に有用であることが示されており、特に、消化器疾患においては、反芻時間と行動量が関連することが報告されている。本論では、乳牛の消化器疾患を対象として、画像解析による疾病の検出方法について検討を行った。消化器疾患の乳牛は、健康時と比較して行動量が低下することに注目し、Optical Flowにより乳牛の行動量を算出し、得られた行動量データを機械学習の手法である隠れマルコフモデル(HMM)で分析することで、8割以上の精度で消化器疾患を検出することが可能であることが示され、さらなるモデルの精度向上が期待される。
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