抄録
我が国では、発注者が工事に要求される技術水準および建設企業の技術力を評価し、発注時の企業選定に反映させるシステムを採用している。工事の技術的難要求技術水準および企業の技術力は、工事の易度、難易度の高い工事への対処能力とそれぞれ関連し、工事の技術的難易度の適切かっ実用的な評価システムの確立が課題となっている。
本論文では、完了工事を対象としたアンケート調査を実施し、施工に精通した熟練技術者が認識する工事の難しさへの影響要因を調査分析し、工事の技術的難易度に影響を及ぼす主要な要因につい的て難整理した。さらに、各要因が工事の難しさに及ぼす影響度合いの調査データから、工事の技術易度の分析・評価を実施した。その結果、工事の技術的難易度は工種により有意な差が生じており、「工種」および「当該工事の条件および特性等、工種以外の要因」により工事の技術的難易度が表現し得ることが明らかとなった。