抄録
下水道が整備された地区では, 速やかにトイレを水洗化して, 下水道に接続することが義務づけられている. 接続率は, 古くから下水道整備が行われてきた大都市では高いが, 人口の少ない地域になるほど必ずしも高くはない. 本研究では, 家計が下水道に接続する行動を, 費用を払ってでも下水道に接続して得られる効用と, 接続しない場合の効用を比較していると考えてモデル化を行った. とくに高齢者家計においては, 接続後の使用年数も考慮に入れているものと考えた. アンケート結果よりモデルパラメータを推定し, 接続率に影響を及ぼす要因を検討した. その結果, 家計の収入や存続年数を考慮したモデルの妥当性が検証された.