抄録
単結晶ダイヤモンドバイトを用いたガラスの形削りにおいて、切れ刃稜線形状(粗さ)の頂点の偏りが脆性破壊特性に及ぼす影響について明らかにする。切削試験では、集束イオンビームを用いて工具主切れ刃稜線上に三角波状の粗さ形状を成形した後これを用いてソーダライムガラスに対し形削りを実施、成形した形状の山頂部を中央から一定方向偏差させた場合に脆性破壊特性に及ぼす影響を観察する。試験の結果、メディアンクラックおよびラテラルクラックの偏向が確認され、形状先端の偏差がき裂の伝播方向を変更しうることが明らかになった。