抄録
健常成人に対して座位多方向リーチ動作時の体幹・下肢筋活動について検討した.課題は肩関節水平内転0°,30°,60°,90°,120°方向へのリーチ動作とした.結果,水平内転が120°に近づくにつれて,最大リーチ距離は長くなる傾向が確認され,筋活動はリーチ側の脊柱起立筋の活動が増加し,対側の外腹斜筋の活動が減少していた.また,リー
チ距離が短い水平内転0°や30°ではリーチ反対側の外腹斜筋の筋活動が有意に増加し,リーチ反対側の大腿直筋は増加傾向にあった.このように,リーチ方向により体幹と下肢の筋活動は変化することが明らかとなり,示された筋活動の違いは最大リーチ距離に関係していることが示唆された.