作業療法の実践と科学
Online ISSN : 2433-8451
Print ISSN : 2434-5806
2 巻, 4 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 京極 真
    2020 年 2 巻 4 号 p. 61-67
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
    :本論では,作業療法士のための質的研究の始め方を解説する.作業の知識を明らかにするうえで,質的研究と作業療法の相性は非常によく,その活用は作業療法にとって欠かせない.それゆえ,作業療法士は質的研究のメリットとデメリットを理解したうえで実施することが期待される.質的研究の始め方のコツは,質的研究のプロセス,質的研究法,質的研究報告ガイドラインを理解したうえで作業中心にアプローチするところに求められる.作業療法士は作業を核にした研究課題,データ収集,データ分析,理論構築を実施し,データに根ざした作業の知識を創りだす必要がある.
  • 吉田 彩華, 久保 勝幸, 山田 恭平, 中島 そのみ, 仙石 泰仁
    2020 年 2 巻 4 号 p. 68-76
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
    協調運動検査の1つである母指-示指タッピングを定量的に評価できるタブレットトラッカーTT-Zを用い,健常成人60名を対象に外部音のテンポの違いによる母指-示指タッピングの基準データを明らかにし,既存の検査との相違点を検討した.結果,基準のテンポの違いによって距離のずれ率に違いはなかったが,テンポのずれ率では速いテンポになるにつれてずれの割合は増加した.さらに,タッピングのタイミングではテンポに関わりなく音刺激よりも早くタッピングしていた.また,母指-示指タッピングと労研式タッピングでは全ての基準のテンポとの間で,ペグボードではテンポのずれ3Hzとペグボードの全ての項目で関連が認められた.
  • 中村 裕二, 小玉 武志, 中谷 優太, 梅田 信吾, 中島 そのみ, 仙石 泰仁
    2020 年 2 巻 4 号 p. 77-85
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
    健常成人に対して座位多方向リーチ動作時の体幹・下肢筋活動について検討した.課題は肩関節水平内転0°,30°,60°,90°,120°方向へのリーチ動作とした.結果,水平内転が120°に近づくにつれて,最大リーチ距離は長くなる傾向が確認され,筋活動はリーチ側の脊柱起立筋の活動が増加し,対側の外腹斜筋の活動が減少していた.また,リー チ距離が短い水平内転0°や30°ではリーチ反対側の外腹斜筋の筋活動が有意に増加し,リーチ反対側の大腿直筋は増加傾向にあった.このように,リーチ方向により体幹と下肢の筋活動は変化することが明らかとなり,示された筋活動の違いは最大リーチ距離に関係していることが示唆された.
feedback
Top