抄録
今回,腰椎すべり症術後に右下肢機能障害を呈した70代男性に対し,入院中から作業遂行測定に基づく目標設定とドライビングシミュレーターによる踏み替え操作練習を段階的に実施した.さらに,退院後の運転再開手続きを整理し,運転免許センターへの確認を支援した.その結果,通常の手続きの範囲で運転再開に至った.運動器疾患では制度上の評価が具体化されにくく,評価や支援が不十分なまま再開に至る可能性がある.そのため,入院中から作業療法士が身体機能,運転操作能力,本人の認識を含む多面的評価に基づいて判断材料を整理し,関係機関への橋渡しを担うことの重要性が示唆された.