2018 年 25 巻 1 号 p. 11-16
理学療法士の養成過程における臨床実習の果たす役割は大きい。当初より継続して行われているが,指定規則により実習時間は減少を続けている。また,理学療法士を取り巻く社会環境や,学生の状況は様々に変化している。環境や対象が変化すれば,それに合わせて臨床実習も変化すべきである。しかし,現状はその変化に対応したものとはなっていないように感じる。養成当初の臨床実習の方法がそのまま継続されている。また,学習科学として知識や技術などの効果的な指導方法が研究されている。昨今,理学療法においてもEBMが推進されている。しかし,指導に関しての根拠があるにも関わらず,十分活用されているとは思えない状況である。本稿では学習科学の視点を踏まえた上で,これからの時代に適した臨床実習のあり方を提案したい。