本研究は,人工呼吸器装着中の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象に,人工呼吸器の気道内圧モニターの表示による最高気道内圧(PIP)および動的肺コンプライアンス(C
dyn)の相対信頼性および絶対信頼性を明らかにすることを目的とした。方法は人工呼吸器管理のALS患者24名に対し,PIPとC
dynの測定を2名の理学療法士が行い,相対信頼性としてPIPとC
dynの検者内および検者間の級内相関係数(ICC)と,絶対信頼性として最小可検変化量(MDC)の95%信頼区間であるMDC
95を検証した。PIPの検者内および検者間のICCは0.98と0.99で,C
dynのICCは0.94と0.97であった。またPIPのMDC
95は1.99 cmH
2Oで,C
dynのMDC
95は4.23 ml/cmH
2Oであった。相対信頼性の結果よりPIPとCdynは再現性に優れた評価で,絶対信頼性の結果は呼吸ケアおよびリハビリテーションの即時的な変化量の参考値となる。
抄録全体を表示