抄録
【目的】下肢装具使用者に対する継続した支援体制の整備に資するため,生活期において理学療法士が下肢装具へ介入する際に影響する因子を明らかにすること。【方法】生活期に従事する理学療法士を対象に郵送による自記式質問紙調査を行った。下肢装具を見直す頻度より介入群と非介入群に大別し,群間に影響する因子を明らかにするためにロジスティック回帰分析を行った。【結果】介入群は 125名,非介入群は 114名であった。群間に影響を及ぼす因子として「急性期・回復期との装具に関する連携」「装具に関連する制度の知識」「下肢装具を調整した経験」「下肢装具を検討・作製した経験」が抽出された。【結論】生活期で理学療法士が積極的に下肢装具へ関わるには急性期・回復期からの情報提供が有効であることが示唆された。また,下肢装具に関する教育体制の検討が必要と考えられた。