理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究と報告
人工呼吸器の気道内圧モニター表示による最高気道内圧と動的肺コンプライアンスとの相対信頼性および絶対信頼性
―人工呼吸管理下の筋萎縮性側索硬化症患者における検証―
芝﨑 伸彦今井 哲也望月 久沼山 貴也
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2018 年 25 巻 1 号 p. 87-90

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抄録
本研究は,人工呼吸器装着中の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象に,人工呼吸器の気道内圧モニターの表示による最高気道内圧(PIP)および動的肺コンプライアンス(Cdyn)の相対信頼性および絶対信頼性を明らかにすることを目的とした。方法は人工呼吸器管理のALS患者24名に対し,PIPとCdynの測定を2名の理学療法士が行い,相対信頼性としてPIPとCdynの検者内および検者間の級内相関係数(ICC)と,絶対信頼性として最小可検変化量(MDC)の95%信頼区間であるMDC95を検証した。PIPの検者内および検者間のICCは0.98と0.99で,CdynのICCは0.94と0.97であった。またPIPのMDC95は1.99 cmH2Oで,CdynのMDC95は4.23 ml/cmH2Oであった。相対信頼性の結果よりPIPとCdynは再現性に優れた評価で,絶対信頼性の結果は呼吸ケアおよびリハビリテーションの即時的な変化量の参考値となる。
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© 2018 社団法人 埼玉県理学療法士会
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