抄録
2歳児は自他が分化しはじめ,他者理解の能力に関連する自己認識能力が大きく成長する時期であり,それが共感性の発達につながる。本研究では,父親と母親との比較検討を通してどのようなかかわり方が2歳児の共感的な行動を引き出すのかを探索的に検討することを目的に,研究Iにおいて子どもへの感情表出の仕方について尋ね,研究IIにおいて夫婦と子どもの三者による自由遊び場面と共感性喚起の実験場面の観察を行った。その結果,共感性を示す要因として,父親か母親かという別ではなく,どのくらい子どもと接しているかという量的な側面とどのように普段子どもと接しているのかという質的な側面の両面での影響が示唆された。