2017 年 55 巻 2 号 p. 109-119
本研究の目的は,幼児にとって理解しやすい表情素材(線画・イラスト・大人写真・幼児写真)とはどのようなものであるか,さらに,大人から見て幼児の意図表情は表情としてどの程度適切であり、理解しやすいものであるのかという点について明らかにすることである。実験の結果,表情理解に関しては,年少児頃には表情素材の種類を問わず基本的な表情の理解が可能であることが示された。表情表出に関しては,喜び表情では大人が理解しやすい表情を表出することができるものの,悲しみや怒り表情は大人から見て理解しにくい表情であることが明らかとなった。