抄録
本研究の目的は,保育現場における子どもにとっての閉所の機能を考察することである。対象は,保育所の1 歳児から5歳児クラスに在籍の子どもである。園庭内にある3 カ所の閉所に出たり入ったりする場面である843 分の観察データをグラウンデッド・セオリー・アプローチ用いて分析した。その結果,26 の概念,10 のサブカテゴリーが生成され,4 のカテゴリーに集約された。また,10 のストーリーラインが見いだされた。子どもにとっての閉所の機能は,偶然性を孕む共有と転換を繰り返し,閉所内外のつながりを交えながら創出されていることが示唆された。