抄録
本研究は,幼稚園3歳児クラスにおける登園後の身支度場面において,保育室の物的環境が子どもに促した行為をアフォーダンスの視点から明らかにした。データ収集は,4月~7月の間,3園を対象にビデオカメラを用いて行った。分析は,1)子どもの身支度開始から終了までの時間を計測し,2)その間の行為を文字化したエピソードを検討した。結果は,まず,身支度に関する物的環境が,子どもに身支度の効率化を促すと明らかになった。一方で,身支度場面において保育室内に同時に構成される遊びのための物的環境などが子どもに身支度以外の行為を促すこと,持参物が身支度以外の行為を促すことも明らかになった。また,身支度にかける時間が4月から7月の間で必ずしも短縮しなかったことからも,保育室の物的環境が子どもの身支度の行為を促すのみではないことも明らかになった。