保育学研究
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原著<論文>
新人保育者の新たな実践の創出プロセスにみる“パートナーシップに基づく子ども理解”
―「学びほぐし」を分析枠組みとして―
山下 愛実
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2022 年 60 巻 2 号 p. 45-56

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抄録

本研究は1年目の新人保育者が創出する実践と実践にみる視点の変化に着目し,立場を異にする保育者と観察者の相互交流を通じて見出される実践変容の内実の一端を捉えることを目的とした。幼稚園で参与観察を実施し,学級で過ごす時間に「保育者の意図と異なる子どもの姿」が見られた場面における保育者の実践について,「学びほぐし」の概念を分析枠組みとして分析した。その結果,保育者の教示的な実践の型は観察者の視点が共在することでほぐされ,子どもの視点を含む新たな実践が創出された。この変容プロセスでは,“パートナーシップに基づく子ども理解”が下支えとなった事象の共有を重ねることが一つの契機となっていたことが見出された。

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© 2022 一般社団法人 日本保育学会
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