本研究の目的は,登はん型遊具における幼児の「挑戦的活動」の取組実態と幼児同士の相互作用を明らかにすることである。4・5歳児向けに開発された登はん型遊具で遊ぶ3~5歳児の行動観察を行ったところ,「達成」「挑戦」の取組は4・5歳児に多くみられた。これには4・5歳児の身体特徴を考慮した安全で難易度の高い遊具構造が関連していた。また,幼児の発話内容は〈他児との関わり〉〈自他認知〉〈危険安全認知〉の3グループで構成される。登はん型遊具における「挑戦的活動」は,登り降りの場面により挑戦の質が異なり,幼児同士の教え合いや他児の挑戦的意欲を引き出し,危険や安全に対する学びの場になるという教育的意義が示された。